糖尿病に対して「にんにくの働き」

 1960年代半ば、日本人の糖尿病患者数は3万人ほどとされていました。 ところが40年を経た現在、その患者数は700万人と膨れ上がっています。これは日本人の食生活が急激に欧米化してしまったことが原因で、40年の間で200倍もの伸びを示したのは、世界でも例を見ないそうです。

 糖尿病は、高カロリー・過栄養にたいして代謝のアンバランスから起こるいわゆる「ぜいたく病」ともいわれており、特に運動不足から来る肥満やストレスの増加などが原因として指摘されています。

 糖尿病は、すい臓から分泌されるインシュリンとよばれるホルモンの分泌が不足することから代謝異常が生じ、血中のブドウ糖の濃度が長期間持続して、ついに尿から排泄されるようになってしまう症状です。

 すい臓がインシュリンを分泌しなくなる原因としては、

(1)外科手術ですい臓を切除していまったり、炎症やガン組織に破壊されるなど、 すい臓自体が無いか物理的に機能しなくなるというパター ンと、

(2)過食や肥満、運動不足などによってインシュリンを分泌しなくなるというパターン。 の2つがあります。

 前者パターンを(1)インシュリン依存型、後者のパターンを(2)インシュリン非依存型糖尿病と呼びますが、特に後者のインシュリン非依存型が糖尿病患者の実に95%を占め患者人口の激増の原因となっています。

 なぜ、肥満や運動不足がインシュリンの分泌を阻害してしまうのかは、成長ホルモンや副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンの過剰な分泌 などが指摘されていますが、実はまだ良く分かっていません。

 いずれにしても食生活はもちろんですが、摂取カロリーと代謝量のバランスを日頃からとること、適度の運動を欠かさないことが、糖尿 病予防の基本中の基本です。

ニンニクは前にも述べましたとおり、血液中の血糖とグリコーゲンなどの糖代謝を円滑にする働きがありますので、糖尿病の予防に非常に効果的です。  糖尿病は一度かかると、軽ければ治療により健康な人と同じような状態を維持することはできますが、今のところ完全に治癒することは ありません。

 治療法としては、
(1)インシュリン依存型の場合(すい臓機能欠損型)
  -インシュリンの適宜な投与

(2)インシュリン非依存型の場合
(肥満などによるインシュリン分泌不全型)
  -食生活や運動などで血糖値を常にコントロールしていく&血糖降下剤の投与となります。

 特に(2)のインシュリン非依存型糖尿病の場合、症状を進行させないため、きびしい自己管理が必要になってきます。

 このとき、ニンニクが症状の進行を側面から阻止する働きを多くもっているのです。

 ニンニクに含まれるビタミンB6は合併症がつきものの糖尿病について特に神経障害の防止に効果があります。また、妊婦糖尿病の緩和に役立つことがわかっています。

 また同じくにんにくに含まれている亜鉛はすい臓機能そのもの、つまり血糖値調節のために欠かせない物質です。インシュリンの生成、 分泌、インシュリンの濃度調節に直接作用します。

 そして、アリチアミンがすい臓内でビタミンB6と出会うと、そこで結合して細胞を活性化する働きをし、インシュリンの分泌を助けます。

 また、制限の多い食事のなかで極めて摂取がむずかしいビタミンB1を効果的に消化吸収する手段として、ビタミンB1と同じ働きをし、吸収率が格段によく体内備蓄がきくアリチアミンの存在は極めて大きな意義があるといえましょう。

 事が代謝に関わる必須物質で、血糖値の管理にダイレクトに影響する物質なだけに、その有用性はいっそう貴重といえます。

 また、糖尿病にかかってしまうと血液が凝固しやすくなってしまい、 血栓や動脈硬、眼底出血、脳梗塞など、循環器系の障害から様々な合併症が起こりやすくなります。ニンニクに含まれるアリシンは脂質と結合して脂質アリシンとなり、ビタミンEと同じ働きをします。

 血管内の老廃物を取り除き抹消血管を拡張して血流をスムーズするため、合併症の予防に効果を発揮します。

 そしてやはり合併症として心配な肺炎などの感染症も、その殺菌力と細胞の代謝活性化によってアップした免疫力によって予防できます。  ニンニクの機能が糖尿病の予防、また掛かってしまった場合の治療手段としていかに有効か、お分かりいただけたでしょうか。

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